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FOCUS

振付家・平山素子 直撃インタビュー『アドバンスト・コレオグラフィ』

 「コンピュータによる新しい動きの探求」と題し、平山素子・坂田守・石渕聡(コンドルズ)の3人の振付家による最新鋭のダンス公演が開催される。コンピュータと人間の新しいコラボレーションの形として振付シミュレーションソフトを活用した、その名も『アドバンスト・コレオグラフィ』。

AC振付家
 本作は2部構成となっており、1部はパフォーマンスと、2部にソフト開発者と振付家たちとのプレゼンテーションが行われる。最先端のコラボ作品について、平山素子がロングインタビューに応じてくれた。

 ― 振付シミュレーションソフトを利用しての創作は、どのようなクリエーション過程になるのでしょう?

 ダンサーの動作のサンプリングによる振付シミュレーションソフトを使います。
これは、プロダンサーの舞踊動作を3次元のモーションデータとして収録し、これを分析的に解体し、再び組み合わせて新奇な舞踊動作を合成するというものです。今回は3名のダンサーの基礎データが入っているものを使用しています。

 私がこのソフトを使って短い動きをつなぎ合わせたシークエンス(1分30秒程度)をいくつか作成し、「振付」としてダンサー(笠井瑞丈さん)に提案します。(タブレット上でアバターが動きを実行してくれます。)

 いわゆるリハーサルは、これを元に動きと向き合うことから始めます。最初の段階は2人でタブレット画面を何度ものぞき込みながら細かく動きを観察しています。ちょっと普通のクリエーション現場とは違いますね。

 そして、次の段階として、アバターの動きを模倣するだけにとどまらず、それぞれが持ち合わせた身体的特徴や、技術、動きの解釈といった部分を要素として加えて、発展させ、膨らませていく段階に入ります。今はこの段階に入ろうとしているところで、これからが勝負です!!

 ― はじめてのソフト使用ということになると思いますが、どのような手ごたえを?

 ありえないような組み合わせも創れてしまうため、刺激的で面白いと感じています。
これまでには思いつかなかった動きの組み合わせが出来上がり、発想の幅が広がり、新鮮さ
を感じます。
 これを扱うことで、「動き」「振付」という当たり前に感じていたことを見直す機会をいただいていると感じています。

 ― 笠井瑞丈さんとのデユオになりますが、彼のダンサーとしての印象は?

 今回は直感として、瑞丈さんのようなタイプのダンサーが実演したら面白いのでは、とお声掛けしました。彼は、独特な「色気」を持ち合わせていて、それは、純粋に生きることと向き合っているのだろうなあとみています。

 普段はシャイな方ですが、不思議なオーラをまとう瞬間があって、とても魅力を感じています。私は“パパッ”と先を見て行動してしまうタイプですので、一緒にリハーサルをしていると、今を生きている・・・と実感できる素敵な人です。
 デュオは密度高い舞踊の世界観を提案しやすく、これから彼とこの「振付」を通してどのように2人で化けていくか(笑)、仕上げが楽しみです!

 ― イメージされている作品の世界観をシェアして頂けますでしょうか?

 まだ実験段階なので言葉で説明するのは難しいのですが、動きの断片が組み合わさりながら徐々に変容していく。やがて気体のようなものへとたどり着くまでの短い現象をイメージしています。
 今回は「動き」という縛りがあるがゆえに、性質をいかに提案するか。人間とは、気体の結合物質であったかも?などと錯覚するような領域までいければ・・と狙っています。

 ― どんな音楽を使う予定ですか?

 今回は落合敏行さんに作曲を依頼しています。オリジナルです。
落合さんは私がH・アール・カオスで踊っていた時からのお付き合いで、私の作品では「un/sleepless」、「月食のあと」、「Twin Rain」などの音も手掛け、創作活動の苦楽を共にしてきた信頼できる作曲家のひとりです。

 エネルギーや、気の流れ、不可視なものをサウンドにするのが得意なアーティストです。私と瑞丈さんのチャレンジに対して破綻のスレスレを行くような危険な雰囲気を作り出してくださると期待しています。

 

公演情報

『アドバンスト・コレオグラフィ』
―コンピュータによる新しい動きの探求―
 2018年11月23日(祝・金)スパイラルホール
https://infoalfalfa.wixsite.com/advanced