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◆◆レビュー評◆◆文・渡辺真弓  〈ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡〜最後のクラシック・ガラ〜Bプロ〉

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    ~洗練された技巧を競いバレエ団の底力を発揮~

 世界の大プリマとして一世を風靡したニーナ・アナニアシヴィリが、2004年から芸術監督を務めるジョージア国立バレエ団を率いて来日、<最後のクラシック・ガラ>と銘打った公演を開催し感銘を与えた。
 3部構成のプログラムは、ブルノンヴィルからフォーキン、バランシン、キリアンなど多彩な組み合わせで、ニーナの円熟の至芸とバレエ団の魅力を全開させるに十分。ニーナが踊ったのは、第1部のフォーキン振付『薔薇の精』と第3部の『ドン・キホーテ』よりハイライト。
 前者では、舞台に登場しただけで優美なオーラを放ち、高野陽年演じる薔薇の精を相手に、観客を夢の世界に誘う。伸び盛りで高い跳躍を見せた高野の進境が注目された。

  一方、キトリはニーナにとって十八番の役柄だけに、マルセロ・ゴメスをバジル役に迎えた舞台は華やかそのもの。第3幕のアダージオでは、ゴメスの好サポートで20回は回っただろうか、超絶技巧に客席は騒然。ヴァリエーションは溌剌と、コーダはエネルギッシュに決め、さすがに舞台を盛り上げる術を心得ている。プリンシパルの高野をはじめ、横山瑠華らソリスト陣は、洗練された技巧を競い合い、バレエ団の底力を発揮した。

 『ゼンツァーノの花祭り』では、鷲尾佳凛がヌツァ・チェクラシヴィリを相手に大活躍。ジョージアゆかりの振付家バランシンの『モーツァルティアーナ』や、キリアンの『小さな死』では選曲の妙が光った。最後は、ジョージアの民族色豊かな『レクリ』を全員で踊って日本のファンのために大サービス。ニーナは、10月28日に富山で牧阿佐美バレヱ団の『飛鳥ASUKA』に主演する予定もあり、今後もあでやかな舞台姿が見られるのは喜ばしい限りである。

<2017年3月20日東京文化会館/文・渡辺 真弓>

 

C) Hidemi Seto

C) Hidemi Seto

C) Hidemi Seto

C) Hidemi Seto

C) Hidemi Seto

C) Hidemi Seto

 

【舞踊評論家/渡辺真弓】
放送大学にて、H27年度2学期「バレエへの招待」の非常勤講師を担当。1970年代よりバレエのレッスン及び鑑賞を始め、大学で舞踊理論及び実技を修める。オン★ステージ新聞社に勤務した後、1991年〜2006年パリに在住し、ジャーナリストとして活動。専門紙誌やWEBマガジン等に定期的に寄稿。主な研究テーマは、パリ・オペラ座バレエ、アンナ・パヴロワからシルヴィ・ギエムまで名花の系譜、日本のバレエ史などで、監修及び著書多数。