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振付家・ダンサー鈴木竜のインタビュー。新作『White Space.』を語る

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 suzuki 国内外で若手振付家に贈られる数々の賞を獲得している振付家・ダンサーの鈴木竜が、世田谷パブリックシアターにて新作『White Space.』を発表する。 作品のみどころやキャストの魅力などについて語ってもらった。

― タイトルに込めた思いは?

 今回のこのタイトルは「白い空間」ではなく「余白」という意味での『White Space.』というタイトルになっています。
世界各国色々な都市に踊りに行きますが、東京ってすごく特殊な街だなぁと前から思っていたんです。それで、改めて何が違うんだろう?と考えた結果、人や物の間にある距離感が特殊なのかな、と。東京って物理的にも精神的にも余白が本当にないじゃないですか。
とにかく人がたくさんいて物にあふれていていて、まるでスペースがあることを恐れるかのように余白を埋めていく。

 人間にとってすごく大事なのは「考えること」だと思っているんですが、人が人間であるための余白のない状態では思考能力を働かせているとオーバーヒートしてしまうと思うんです。なので、今回の作品は「余白のないこの街で、人は人間でいられるのか?」というコンセプトのもとに作る予定です。

― どんな舞台になりそうでしょうか?

 物語を説明するための言葉を用ない予定なので、一見するとストーリー性がないように感じるかもしれません。
でも、例えば道を歩いていてすれ違うたくさんの人たちにも、それぞれの人生や歴史があるけれどそれを意識することはないですよね。

 こんなところで生まれて、こんな仕事をしていて、こんなものが好きで嫌いで・・・とか。
そういう個人が抱えているストーリーというか、それぞれのキャラクターやシーンごとのストーリーは今作の中にも間違いなく存在します。

 それをあえて説明はしないし、どんな風に見えるかは人それぞれでしょうね。
時間の断片を垣間見るような作品になると思います。僕はダンス畑の人間なので、やはり身体が生み出すストーリーがとても好きなんです。そして僕は作品の中でいつも物を使うので、人と物の関係性が生み出す身体にもぜひ注目していただけたらと思います。

― 出演者たちの魅力を教えてください

「大宮大奨」は、唯一無二の意外性に満ち溢れたムーブメントが大きな魅力ですね。
今回のメンバーの中でも根本的な身体能力がズバ抜けて高いので、難しいこと抜きに観ていて楽しいダンサーです。

「安心院かな」は、ここ数年でメキメキと力をつけてきている若手の一人で、人を惹きつける特別なオーラを持っているダンサーです。「上田舞香」も僕が期待している若手ダンサーの一人で、創造性あふれる自由な発想と美しいラインを同時に操ることができます。「河内優太郎」はエネルギーの塊のようなダンサーで、彼の踊りを見ているとこちらまで汗をかいてくるというか(笑)。観ているこちらが飲み込まれないように必死になってしまうようなエネルギッシュなダンサーです。

 メンバーは全員、とても表現力に優れたダンサーなので、身体性の高い作品になると思います。
且つ5人とも個性が全く違うので、この5つの異なる身体がどのように交わるのか、ぜひ劇場でご覧ください。

公演情報

Ryu Suzuki eltanin 第1回『White Space.』
2019年6月28日(金) ~ 30日(日) 世田谷パブリックシアター
https://setagaya-pt.jp/performances/whitespace2019.html