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シュツットガルト・バレエ団の奇跡再び!

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 2012年の来日から3年ぶりの来日公演となるシュツットガルト・バレエ団。
 同バレエ団を世界一流に育て上げたジョン・クランコは、バレエダンサーとして舞台に立っていた頃からすでに振付家を目指していたと言われているが、現代においても世界に受け継がれる多くの名作を遺している。1969年当時、世界の一流ダンサーたちが集うニューヨークで高い評価を得、大成功させた功績は〈シュツットガルトの奇跡〉と呼ばれ今日でも引き継がれている。
 シュツットガルト・バレエ団は、新進振付家の発掘にも力が注がれ、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイスなどの大物振付家たちを生み出していることでも有名。

 『ロミオとジュリエット』は、クランコが30代前半の1962年に振付けた作品である。
現代ではケネス・マクミラン版を上演するバレエ団が主流だが、マクミランがクランコの『ロミオとジュリエット』に感化され、1965年に自身のバージョンを創作したのは知る人ぞ知るエピソード。2013年の現地での公演では舞台の1ヶ月前にチケットが完売してしまったほどの人気作品。

 物語バレエの傑作としてこちらも外せない代表作『オネーギン』は、2008年の日本公演以来の上演。少女タチヤーナが美しい貴婦人に成長してゆく過程で、オネーギンという年上の紳士とタチヤーナとの人間関係がじつに深く繊細に描かれている。このふたりの人間関係が逆転するクライマックスが、まさにタチヤーナの真骨頂。ダンサーによって様々な解釈によるドラマが楽しめるところも本作の見どころのひとつである。

Onegin
John Cranko
Tänzer/ dancers: Alicia Amatriain (Tatjana), Friedemann Vogel (Onegin)

 そして同バレエ団の代名詞ともなっている〈シュツットガルトの奇跡〉は、クランコの『じゃじゃ馬馴らし』のパ・ド・ドゥを含む4作品と、マルコ・ゲッケ、デミス・ヴォルピ、イツィク・ガリリ、エドゥアルド・クルグなど、現在活躍中の先鋭振付家たちの作品の計16演目をダンサーたちが総動員で贈る。 
 なかでもゲッケ振付の『モペイ』は、2012年の第13回バレエフェスティバルで、フリーデマン・フォーゲルが卓越した表現力で観客を魅了、2015年の第14回同フェスティバルのクランコ振付作品『伝統』では超絶なリフト技も見せた。
 テクニック・表現力・優美さが揃ったクオリティの高いバレエ団、どれを選んでも満足できる公演となるだろう。

公演情報

〈シュツットガルト・バレエ団 2015年日本公演〉
『ロミオとジュリエット』
2015年11/13(金)~15(日)東京文化会館
『オネーギン』
2015年11/21(土)~23(月・祝)東京文化会館
ガラ公演〈シュツットガルトの奇跡〉
2015年11/18(水)東京文化会館
http://www.nbs.or.jp/stages/2015/stuttgart/intro.html